私が緩和ケア病棟に勤め始めた15年前には、この動画がありました。
何かのきっかけで見つけましたが、私も母親を亡くして数年しか経っていなくて、涙なくしては見ることが出来ませんでした。
ですが、本当に心を慰めてくれました。
何年かして母に会えると思いました。
大切な方とお別れするのはつらいことで、これは慣れることはできないと思います。
私は自分の家族だけでなく、患者さんとお別れするのもやはりつらく、慣れることはありません。患者さんのご家族の悲しみも深く、なかなか慰められないものだと思います。
「時間が味方をするので、時とともに辛さも少しずつ軽くなる」と言う人もいらっしゃいますが、私はそんなことはありませんでした。
特に同居なさっているご家族とお別れなさるのは、暮らしの中でその方を思い出す思い出が山ほどあるので、本当にお辛いと思います。
そんな大切な愛する方とお別れなさった方に、本当に見ていただきたい動画です。患者さんとお別れをなさったご家族にご紹介させて頂いたりしました。
私が知った時には、パソコンの動画でしか見られなかったのですが、いつの間にか本にもなっていました。
大切な方とお別れをなさった方々がよくおっしゃるのは「もっと何かしてあげられたのではないか」ということです。してあげられなかったことじゃなく、して差し上げたことを思ってほしいとお伝えします。そばにいて差し上げることだけでも、その方にとってどんなに心の支えになるかと思います。
今は、病院に入院なさるとコロナのせいで、面会が制限されているので、それもできなくなっていると思います。そんな中でお別れが来ると悲しみが押し寄せてくると思います。
それでも、先に旅立たれた方は、残された方がつらい思いを抱えて泣いていないで、幸せに過ごしてほしいと願っておられると思います。何故なら、私が最期を迎えても家族にはそう思うと思うからです。
辛いお気持ちで過ごされている方の心が、ほんの少しでも軽くなれば…と願わずにはいられません
